コピーの裏側

一人暮らしを始めた。
お母さんの副音声が、
今は恋しい。

 
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今年1月にツイッターで盛り上がりを見せていた、スカパー主催のコピーコンテスト「スカコピ!」の大賞作品です。

https://www.skyperfectv.co.jp/special/promotion_award/

「副音声」という例えだけでなく、「母親って、そうだよなぁ」と共感を誘うコピーにもなっていますよね。そして、このコピーには、作者の松村さんの「母親」も、しっかり映し出されていました。このインタビューをお読みいただいてから、改めてこのコピーを読むと、よりグッとくると思います。それでは、作者の松村さんにインタビューしていきます!

 

自己紹介をお願いします!

初めまして!松村遼平と申します。この春から広告代理店で働いています。ただいま研修中なので職種はまだわかりませんが、コピー好きであることは確かです笑 あとは、オードリーのオールナイトニッポンが大好きです。若輩者ではございますが、このような機会を頂き、ありがとうございます!どうぞ宜しくお願い致します。

 

「スカコピ!」に応募したきっかけは、なんですか?

広告業界に入るにあたり、自分の力をアピールするために何か賞を獲りたい、実績をつくりたい、という気持ちがありました。その中でスカコピを見つけ、賞を獲ると実際にポスター、新聞広告になる、という特典に惹かれて応募しました。
あとは、ツイッターで気軽に応募が出来たり、タイムラインに流れてくるお知り合いの方々のコピーを見て刺激を受けたり、自分が応募したコピーに反応があったりと、半ば発表会のような気持ちで楽しく取り組めたことも、進んで応募できた理由だと思います。

 

ズバリ!このコピーの制作秘話を、教えてください!

スカコピのテーマが「家族とテレビのあるある」をコピーにしてください、ということでした。「スカパーの加入促進に直接つながるコピーでなくてよいのか?」という疑問を持ちながらも、あくまでお題に直球な、あるあるコピーを投稿しようと気をつけていました。

また、スカコピの例として出ていたコピーをきちんと読んで、どのようなコピーが求められているか、”家族とテレビのあるある”とスカパーとの距離感を、ぼんやり掴みながらコピーを考えました。これは、ただ賞を獲るためという意識よりも、割と広く捉えられるオリエン・課題を、もう一段階、自分の中で腹落ちさせるための作業でした。

コピーを考える際には、登場人物と時間軸の両方から、出来るだけ漏れなく、あるあるやテレビの前の情景を想像しようとしていました。お母さんを中心にしたテレビの前の風景、自分が子供だった時のテレビの前の風景、自分が高校生だった時のテレビの前の風景、女子高生のテレビの前の風景、、、といったようにです。

そして、受賞したコピーですが、これは僕の実際の経験からきたものです。僕は大学から一人暮らしをしております。実際に1人の部屋でテレビをつけると、何故だか寂しくなり、それがテレビを一緒に見る家族の話し声がないからだ、と気づきました。また、高校の時の(別の時間軸)自分の経験においても、テレビを見ている時に、母親がうっとうしいくらい(かまってもらえてありがたいですが笑)話しかけてきたなぁ、ということも思い出していました。

僕の場合、家族とテレビのあるあるを想像すると、基本的に一人暮らしをする前のものになりました。この点については運がよかったのですが、「一人暮らしを始めた。・・・今は恋しい。」という、時間軸をずらすことで生まれるエモさ、みたいなものが、自然に表現できたと思います(意識して作れたら、なおいいのでしょうが)。「今は恋しい」の「今は」は、この時間軸のズレを強調するために、意識して入れたと思います。「”今は思う”って、昔はどうだったんだろう」と、親子の関係性について想像を掻き立てたり、コピー中の主人公の、心の変化を想起させるエモさも演出できたりしている点でも、「今は」というワードは入れてよかったです。

それから、テレビを見ている最中に親が話しかけてくる、というシーンは結構ありがちだと思ったので、そこに臨場感や、ひっかかり、面白さを感じられるような表現をしようと考えました。テレビという単語から連想ゲームをしている最中に、「副音声」という単語が出てきて、僕がテレビを見ているのに、まるで副音声のようにたくさんしゃべりかけてくる母親の姿と重なりました。「母親の副音声」というワードに、自分でも面白さを感じたので、これを採用することにしました。

 

松村さんのお母様は、どのような方でしたか?

母親は、彼女自身が子供の時、母親(僕にとってのおばあちゃん)が病気であまり家に帰れなかったり、僕の出産時にだいぶ苦労したりしたことから、子育てに関してかなり過保護な親だったと思います。子ども自身がやるべき生活のことも、諸々やってくれていました(やってしまっていました)。そのため僕は、この状態だとひとりでは何も出来なくなると思い、東京から地方大学へ一人暮らしを希望した、みたいな経緯もあります。笑 ただ、母親含め家族は、何をするにしても僕のことを応援してくれる、いい家族だと思ってます。

 

お母様との関係は、どうでしたか?

高校卒業時に、過保護な母親に嫌気がさして、早く家を出たいと考えるようになっていました。ただ、実際に家を出て一人暮らしを始めると、母親のしてくれていたことが多すぎたため、自ずと母親の存在の大きさを感じ、次第に感謝出来るようになりました。おばあちゃんが亡くなってから一層そう感じるようになり、そっけなくスタンプで返していたLINEも、きちんとした文で返すようになったりしました。笑

 

受賞のあと、お母様に連絡はしましたか?

母親には、事前に受賞連絡が来た日にラインで連絡しました!自分のことのように喜んでくれて、「私のおかげでしょ?😊」とまで言われました。笑  ただ、実際にWebでの発表日になるまでは実は信じておらず、詐欺だと思っていたらしく、実家にいる弟に「お兄ちゃん、かわいそうだね、、、」などと話してたようです。笑 広告になった新聞も、二部買ってくる様子を見て、本当に嬉しかったんだな、と僕も嬉しく思いました!

 

インタビュー後記

いやー、素敵なエピソード。そして、素敵なお母様! このコピーは、松村さんのテクニックだけではなく、松村さんのお母様の愛情からも生まれた作品だと分かり、素敵な親子関係を感じられ、心が温かくなるインタビューとなりました!もし、お互いが全然話さないような親子関係だったら、こういうコピーってやっぱり出てこないと思うんですよね。このコピーは、松村さんが大学生になる前から種が出ていたと思うと、とても感慨深い気持ちになります。松村さんの親を大事にする思いと経験を、テクニックで、このような形で恩返しできたのだと思うと、いやー、感慨深いですね。最高の親孝行になったのではないでしょうか。スカパーの方も喜ばせ、親も喜ばせることができる。キャッチコピーって、やっぱりすごい…!!

 

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