コピーの裏側

ニュースは経済の危機を伝えた。オレには投資のチャンスと聞こえた。

2018/09/02
 
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リーマンショックでの苦い投資経験。
その中でも、立ち向かうトレーダーの姿を、コピーに。

 

趣味は、山登り、写真、読書、散歩、株式投資、食べること、動物と遊ぶこと。そんな多趣味でアクティブなコピーライター郡司さんに、前回の宣伝会議賞の受賞コピーについて、そして株式投資の体験について、お話をお伺いしました。

この課題は、自分が書かねば!

第55回宣伝会議賞の課題を眺めていた時、マネックス証券のページで手が止まりました。というのも、私はとあるきっかけで株式投資を始め、10年以上の投資歴があったからです。株式投資の楽しさも辛さも(辛いことの方が圧倒的に多いですが……)、身にしみて分かっていたため、他の応募者よりも、トレーダーの本質的な「かっこよさ」に迫れるコピーを書けるのではないかと考えたのです。

 

投資のきっかけは、インタビューの文字起こし。

投資を始めたのは、制作会社に入社して間もない頃、ある証券会社でFA(ファイナンシャルアドバイザー)募集のパンフレットを作る仕事がきっかけになっています。上司が全国の支店でFAにインタビューしたテープを、僕が文字起こしするという仕事でした。テープを聞いていると証券用語がいくつも出てくるのですが、内容はちんぷんかんぷん。原稿はできたものの、意味が分からなくて、さっぱり面白くありません。そこで、自分も投資をしてみたら、インタビューの内容が理解できるかも!?と思い、投資の道に足を踏み入れました。

 

リーマンショックでの資産損失。立ち向かうトレーダーの存在。

今からさかのぼること11年、2007年に私は株式投資を始めました。まあ、大して勉強もせずに投資を始めると、大変なことになるわけですが、どうなったかといいますと、大変なことになってしまったのです。

翌2008年に金融危機「リーマンショック」が発生しました。この暴落は凄まじいもので、「株」と名が付くものは徹底的に売り込まれ、駆け出しの投資家だった私はなすすべもなく、資産の大半を失ってしまいました。「金輪際、投資に手を出すべからず」と家訓を残そうとしていたところ、ある記事で、リーマンショックで儲けたトレーダーがいることを知りました。※この話は後に『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(原作:『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』)として映画化されました。あの暴落の嵐に立ち向かうとは、なんて勇敢なトレーダーがいたのだろうと思いました。それと同時に「恐怖と戦う勇気」こそ、トレーダーが持つ本質的なかっこよさであると気付きました。もし私が『マネー・ショート』の主人公だったら、きっとこう思ったでしょう。

「ニュースは経済の危機を伝えた。オレには投資のチャンスと聞こえた」

 

受賞作は、撃沈投資家の妄想から生まれたコピー、というのが真実なのでした。
ちなみに、それから勉強や経験を重ね、投資で大きく負けることはなくなりました。知識を得て経験を積み、余裕資金で運用するなら、株式投資は人生を豊かにしてくれるものだと思っています。

 

座右の銘は、「一回やってみよう」

私の座右の銘は「一回やってみよう」なのですが、これは苦い失敗から生まれました。以前、「シニアが元気に暮らす街」というコミュニティの広告を作っていた時のことです。60代がターゲットだったため、「定年後は仲間と穏やかに健やかに暮らそう」といったコピーを何本か提案しました。しかし、クライアントからの返事には「もっと入居者のことを調べてください」と書かれていました。「しまった」と思いました。

その返事は、「あなたはシニアの気持ちが、全然分かっていない」と書かれているように思えたからです。

すぐにシニアの方が集まる場所に足を運んだり、シニア向けの雑誌やサイトを読み漁ったりしました。すると60代ではまだまだ現役で仕事をしている方も多く、スマホやタブレットを使いこなしたり、新しい趣味にも積極的に挑戦したり、現在の多くのシニアは一般的なイメージよりも10歳くらい気持ちが若い、という現実が分かりました。

世の中には経験したことがなくても、まるで経験したことがあるように文章を書ける人がいますが、私にはそれができません。それなら、せめていろいろなことを「一回やってみる」ことで、多くの人の気持ちが分かるのではないかと思い、それを心がけるようにしています。(私が山登りを好きなのは、世代を超えて、多くの人とコミュニケーションができるという理由もあります)いろいろなことを一回経験してみると、“新しい視点”が手に入ります。コピーを書く上で役立つのはもちろん、日常生活で様々な問題に直面した時にも、この視点は問題を解決するのに役立つ相棒になってくれています。

 

インタビュー後記
いやー、非常に、耳が痛いインタビューになりました(笑) 文字起こしについても、自分だったら、言われた通りにただ仕事をするだけで終わっている気がしますし、シニアのお話についても、「高齢者、生き甲斐」とただググって終わっている気がします^^; まさに「コピーは足で書く」を楽しく実践されている方だなと、改めて感じました。そして、その「やってみる」には、ちゃんとターゲットの気持ちを「分かりたい」というところまであるように感じました。私も、ネットで知った気でいないで、「1回やってみよう」という姿勢を、ぜひ真似てみたいなと、思えるインタビューでした!

 

 

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